
現在、「今すぐできるLLMO・AIO対策テクニック100」(2026年春・秀和システムより出版予定)の原稿を執筆中の芝田です。
今回は、製造業の採用担当者の方にぜひ知っていただきたい話をします。
「採用サイトをつくれば採用できる」「求人サイトに掲載すれば十分」と思っていませんか?
その認識、今すぐ見直す必要があります。
「採用サイトさえあれば大丈夫」は大きな誤解です。
求職者は必ず会社ホームページを確認しています。そしてAIも同様に、会社ホームページの情報で企業を評価します。
採用につながるLLMO対策の本質と、今日から使える改善ポイントをお伝えします。
採用サイトより、会社ホームページの方がずっと大切な理由
採用の話をすると「採用サイトをつくりましょう」と提案する業者が多くいます。しかし私の経験では、それは順番が逆です。
求職者は、採用サイトや求人票を見て「気になった」と思ったら、必ず次に会社ホームページを確認します。
会社の事業内容、実績、代表者のメッセージ、取引先、社会的信頼性——それらをチェックして「この会社は信用できるか」を判断してから、応募するかどうかを決めているのです。
どれだけ採用サイトを綺麗につくっても、会社ホームページがお粗末であれば「採用サイトだけ力を入れている会社」と見抜かれます。むしろ、会社の実態を隠そうとしているような印象さえ与えかねません。

プリズムゲートでは、会社ホームページをきちんと整備して、その中に採用情報をしっかり組み込むことをお勧めしてきました。
その結果、ハローワークへの掲載だけで20代の応募が来た事例が複数あります。
プリズムゲート自身もそれで採用できています。
採用サイトをつくる費用をかける前に、まず会社ホームページの品質を上げることが先決です。
求職者がAIに「就職先」を聞く時代が始まった
さらに今、もう一つの変化が起きています。求職者の行動が変わりつつあるのです。
以前は「ハローワーク」や「求人サイト」で仕事を探すのが当たり前でした。しかし今、ChatGPTやGeminiなどのAIに「○○市で働きやすい製造業はどこ?」「未経験でも入れる工場を教えて」と質問する求職者が増えています。
SEO対策が「Googleで上位表示されるための対策」なら、LLMO対策は「AIに推薦してもらうための対策」です。
AIが求職者に会社を紹介するとき、選ばれるのはAIが「信頼できる情報がある」と判断したホームページだけ。
求人サイトや採用サイトだけを充実させても、会社ホームページの情報が薄い会社は、AIの推薦候補に入りません。

AIも人間と同じように、会社ホームページで企業の信頼性を判断しているのです。
なぜ製造業のホームページは採用に弱いのか
製造業のホームページを多数見てきた経験から言うと、採用に関する情報の弱さは共通しています。
「アットホームな職場です」「やりがいのある仕事です」という抽象的な表現では、AIは推薦の根拠として使えません。
AIが評価するのは「具体的な数字」と「明確な情報」です。
次のような情報があると、AIは格段に推薦しやすくなります。
- 平均勤続年数:12年(製造スタッフ平均)
- 残業時間:月平均8時間(2024年度実績)
- 資格取得支援:フォークリフト・溶接技能者など取得費用全額負担
- 未経験入社率:採用者の60%が製造業未経験

「働きやすい」ではなく「月平均残業8時間」。
「資格が取れる」ではなく「取得費用全額負担」。
この具体性の差が、LLMO対策(AIへの対応)として効いてきます。そして同時に、「応募しようかな」と迷っている求職者にとっても、数字は安心材料になります。
抽象的な言葉より、具体的な数字の方が「自分が働くイメージ」を持ちやすく、応募の後押しになるのです。AIにも求職者にも、数字は共通して効く情報です。
AIに採用情報を評価させる3つのポイント
①「誰でも歓迎」ではなく「○○の方に向いている」と明記する
「未経験歓迎、意欲のある方大歓迎」という表現は、AIにとって誰向けの求人かが判断できません。
「機械操作が好きな方・ものづくりに興味がある方・転職経験がない30〜40代が多く活躍中」のように具体化することで、AIはマッチする求職者に紹介しやすくなります。
求職者にとっても「自分のことだ」と感じやすく、応募意欲につながります。
②1日の仕事の流れを時系列で書く
「どんな仕事をするのか想像できない」というのが、製造業への応募を迷わせる最大の理由です。
「8:30 朝礼・設備点検 → 9:00 部品加工(NC旋盤操作)→ 12:00 昼休憩 → 13:00 品質チェック・梱包 → 17:30 終業」のように書くと、AIも求職者も内容を把握しやすくなります。
「入社後のイメージが湧く」情報は、LLMO対策としても、応募転換率の向上としても、両方に効きます。
③先輩社員の声を「数字+ストーリー」で掲載する
「入社して良かった」だけでは、AIは情報を活用できません。
「入社5年・30代男性・前職はトラック運転手→現在はNC旋盤担当。
最初の3か月は先輩が毎日指導。
残業が少ないので子どもの行事に参加できている」のように、属性・変化・具体的なエピソードを入れると、AIが引用しやすい情報になります。
求職者にとっては「自分と似た境遇の人がいる」という共感が、応募の決め手になります。
まず会社ホームページを確認してほしい3つのこと

①会社の信頼性情報が揃っているか
創業年・従業員数・主要取引先・許認可・代表者情報が明記されているか。
採用の前に、会社としての信頼情報が土台です。
②採用情報がホームページ内に独立したページで存在するか
会社概要の片隅に求人票を貼っているだけでは、AIも求職者も見つけにくい。
採用ページとして独立させ、数字と具体情報を入れ込みましょう。これがLLMO対策の基本です。
③ホームページの更新が止まっていないか
最終更新が数年前のホームページは、AIから「活動が止まっている会社」と判断される可能性があります。採用サイトをつくる前に、まず会社ホームページを動かしてください。
採用力を上げたいなら、採用サイトより先に会社ホームページを整える。
これが、25年以上1,000社以上のWebサイトに携わってきた私の結論です。
参考データ
- 総務省|令和7年版 情報通信白書|動画共有・配信サービス
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd111130.html - NTTドコモ モバイル社会研究所|シニアのSNS利用拡大(2025年)
https://www.moba-ken.jp/project/seniors/seniors20250418.html - ビデオリサーチ|50・60代のSNS利用率を調査(2024年)
https://www.videor.co.jp/digestplus/article/consumer241001.html
著者紹介
芝田弘美(しばた ひろみ)
プリズムゲート株式会社 代表取締役
Web業界30年のWebコンサルタント。1000社以上のWebサイト制作・運営に携わる。現在は「今すぐできるLLMO対策テクニック100」(2026年春出版予定)を執筆中。LLMO対策セミナーの講師としても、中小企業のAI時代に向けたWeb戦略を支援している。特技は日本舞踊(師範)、空手(三段)。
著書:ホームページ集客大全(自由国民社)、Webライティング大全(自由国民社)、儲かる会社はホームページが9割!(自由国民社)、士業のためのホームページのつくりかた(中央経済社)

