
「星3.1」と「星4.6」——同じサービスでも、受ける印象はまるで違います。
そして今、この“評判”を見ているのは、もう人間だけではありません。
人は「クチコミ点数」に、驚くほど敏感
数字の評価に、人はとても敏感です。同じサービスでも「星3.1」と「星4.6」では、受ける印象がまるで違う。多くの人が、点数の低い方を無意識に避けます。
そして今、この“評判”を見ているのは、人間だけではありません。ChatGPTやPerplexity、GeminiといったAIは、回答を作るときにWeb検索を使い、Googleマップのクチコミ、比較サイト、そして求人サイトの評価まで参照します。(※これはLLMO対策=AIへの対応の話)
クチコミは、単なる「お客様の声」ではなく、AIに読ませる“外部評価データ”。点数が低ければ、AIはネガティブな情報も含めて求職者に提示してしまう。ここが出発点です。
実話:千葉の運送会社で起きた「身に覚えのない低評価」
先日、実際にあった話です。当社がWeb制作・運営支援している、千葉県のある運送会社。採用での応募を上げようと、担当者が求職者の気持ちで調査をしていたときのこと。
Indeed(インディード)で非常に悪いクチコミを発見!
そのクチコミ内容をよく読むと、お客様の会社ではない。調べると、まったく同じ社名の、別の地域にある無関係な会社があることがわかりました。要するに、別会社の悪いクチコミが入ってしまっていたのです。

この会社では、他の中小企業と同様、求人サイトのクチコミまでは、なかなかチェックしておりませんでした。だから、ずっと気づかないまま、他社の悪いクチコミが入っている状態だったのです。(現在、修正の依頼を進めています。)
問題は、求職者は『同じ名前の会社がある』ということをいちいち認識していないこと。社名が同じなら「これはこの会社のことだ」と誤解します。本人にまったく非がないのに、悪い評判だけが独り歩きする。結果、応募が減り、採用対策を打っても効果が出ず、採用経費だけが増え続ける——そんな事態になりかねません。
なぜ「採用」で、特にクチコミが重要なのか
商品を売るときと、人を採るときでは、調べられ方がまったく違います。採用では、求職者は“会社そのもの”を徹底的に調べる。
とくに20〜30代は、まずAIに聞く世代です。「〇〇運送 評判は?」「〇〇 働きやすい会社?」と、会社名をそのままAIや検索に打ち込みます。このときAIは、会社サイトの情報に加えて、外部のクチコミや評判を総合して「この会社を勧めるかどうか」を判断します。(※これはLLMO対策=AIへの対応)
クチコミの点数が低い、件数が極端に少ない、ネガティブな声に返信がない。こうした状態だと、AIも人も、あなたの会社を候補から静かに外す。さらに、「この会社のクチコミは、、」とAI上に表示してしまうのです!
採用サイトをどれだけ立派に作っても、“外側”の評判で落とされてしまう。ここが、多くの経営者が見落としている盲点です。
今日からできる、クチコミ整備の具体策
まずは、自社の“見え方”を確認することから。
①自社名で検索し、AIにも聞いてみる
Google、Googleマップ、そしてIndeedやエン転職などの求人サイトで、自社名を検索してみましょう。ChatGPTに「〇〇(自社名)ってどんな会社?」と聞いてみるのも有効です。同名の別会社がないか、身に覚えのない評価が混じっていないか——今回の千葉の会社のようなケースは、まずここで見つかります。(※現状把握の“診断”)
②Googleビジネスプロフィールを登録・整備する
これは意外と効きます。私の経験では、Googleビジネスプロフィールを登録していないと、検索順位がなかなか上がりませんでした。(※これはSEO対策=検索への対応)。同時に、ここに登録された会社情報・写真・クチコミは、AIが会社を評価するときの参照データにもなります。(※これはLLMO対策=AIへの対応)。ひとつの登録で、検索とAIの両方に効く、一石二鳥の施策です。
③クチコミ依頼を“仕組み”にする
良い取引・良い仕事のあとに、お礼と一緒に一言お願いする。ただしGoogleのポリシー上、「クチコミしたら割引」といったインセンティブ提供や、良い評価をくれそうな人だけに頼む選別はNG。全員に一律で、が原則です。
④ネガティブ・誤情報には、毅然と対応する
放置が、いちばん印象を悪くします。返信は「お詫びと感謝→原因と改善→今後の姿勢」の3段構成が基本。事実と異なる・別会社のものといった誤情報には、求人サイトへ削除や修正を申請します。
「これはLLMO、これはSEO」——区別して押さえる
混同しやすいので、整理しておきます。
AIがクチコミや外部評価を参照して会社を推薦する。だから件数・点数・返信を管理する——これが LLMO対策(AIへの対応)。
Googleビジネスプロフィールを登録して地図表示や検索順位を上げる、求人サイトでの見え方を整える——これが SEO対策(検索エンジンへの対応)。
そしてクチコミの整備は、この両方に同時に効きます。どちらか一方ではなく、両輪で押さえておきたいところですね。
「見えないクチコミ」まで見るのが、本当の対策
応募が来ない、採用にお金がかかる。その原因が、自社サイトの“外側”にある「見えないクチコミ」だった——こういうケースは、決して珍しくありません。
とはいえ、すべての求人サイトやAIの回答を、経営者やWeb担当者が自力でチェックし続けるのは大変です。プリズムゲートでは、自社サイトの中だけでなく、こうした“サイトの外側”の評判まで含めて、AI時代の採用を支援しています。
「うちの会社、AIや求人サイトでどう見えているんだろう?」——少しでも気になった方は、まず一度、ご相談ください。御社の“見え方”を、一緒に確認します。
著者紹介
芝田弘美(しばた ひろみ)
プリズムゲート株式会社 代表取締役
中央大学商学部でマーケティングを学び、大手コンビニエンスストア本部を経て、1996年にWebデザイナーへ転身。2000年にプリズムゲート株式会社を設立。Web業界歴は約30年、累計1,000社以上のコーポレートサイト制作・運営に携わる。現在も約100社のサイト運営を支援しながら「AIがどのサイトを引用するか」を現場で日々検証している。
著書:『士業のためのホームページのつくりかた』『儲かる会社はホームページが9割!』『ホームページ集客大全100』『はじめてのWebライティング大全100』
最新刊として、2026年6月29日『今すぐできるLLMO・AIO[AI最適化]実践テクニック100』(秀和システム新社)を発売。

