
皆さん、こんにちは。プリズムゲート株式会社の芝田弘美です。
2026年6月に『今すぐできるLLMO・AIO対策テクニック100』(秀和システム新社)の出版を控えている今、気になることがあります。「LLMO対策専門会社」と名乗る業者が、この1年で一気に増えているのです。
LLMO対策サービスが日本で本格的に始まったのは、わずか1年ほど前。1996年にWebデザイナーになり、SEO対策の黎明期から現場でサイトを支援してきた私の目線では、本当にLLMOを理解している専門家は、まだごく少数だと感じています。私自身も、AIの挙動は数週間それこそ数日単位で変わるため、いまだに毎回検証を続けている状態です。
今回は、SEO・LLMOの現場で実際に見てきた”残念な業者”のエピソードを通じて、やってはいけない業者選びを具体的にお伝えします。
エピソード1:有名企業の子会社が、逆方向のリンクで月額2万円を請求
SEO黎明期の話です。都内のある大手企業グループのSEOコンサルティング会社が、あるお客様を担当していました。会社の看板は立派。コンサル体制も整っています。しかし、その提案で愕然としました。
「御社サイトから、当社サイトへリンクを貼ります」——向きが完全に逆です。本来はお客様のサイトへ外部からリンクをもらうことがサイト評価につながるのに、この業者は、お客様のサイトから自社へリンクを貼らせて自社のドメインパワーを上げていました。しかもその作業に、お客様から月額2万円を請求していたのです。
そのSEOコンサルティング会社に話を聞くと、リンクが逆向きにも関わらず、これがSEO対策になるという。。。Web技術も全く知らない素人というしかない状態。有名企業だからといって、中身が伴っているとは限らない——これはLLMO時代の今でも変わらない教訓ではないでしょうか。

エピソード2:”LLMO専門家”のサイトが、お客様のサイトに負けた
最近、当社のお客様のところへ「LLMO対策専門」を名乗る会社が営業に来ました。試しに、そのお客様のサイトをAIで評価してもらったところ——営業に来た専門会社のサイトよりも、お客様のサイトのほうが高い点数が出たのです。
これはお客様が地道にコンテンツを充実させてきた成果であり、当社も2025年秋からAI検索を意識した改修をご支援してきた成果でもあります。しかし、「LLMO専門」を謳う会社が、自社サイトすら対策できていないという現実には、正直驚きました。私の個人的意見では、自社開発の評価なら、自社サイトの評価を高めることは容易いはずです。
さらに、その会社の提案内容も首をかしげるものでした。「AIは英語で学習しているから、英語サイトを作りましょう」。日本人向けビジネスに英語サイトを勧める提案の落とし穴については、以前詳しく書きましたので、気になる方はこちらをご覧ください。
「英語サイトを作ればLLMO対策になる」──それ、御社に本当に必要ですか?
https://prismgate.jp/news/29656/
読者の方へ:業者を見極める簡単な方法があります。その会社のサービス名をChatGPTやGeminiに聞いてみてください。自社のLLMO対策すらできていない業者に、あなたの会社の対策は任せられません。
エピソード3:過剰な対策で、ドメインごと消えた
これもSEO黎明期の話。あるお客様のサイトが、それまで依頼していたSEO業者の過剰な対策が原因で、Googleから警告を受け、検索インデックスから消去されました。検索しても一切出てこない状態です。
SEO業者は対応できず、当社に相談が回ってきました。結論、新しいドメインを取得してゼロからやり直すしかありませんでした。それまで積み上げた検索評価もサイトの歴史も、すべて失う最悪の結末です。
LLMO対策もSEOと同じく、”やりすぎ”がリスクになる領域です。AIの学習データを意図的に操作しようとする手法は、検索エンジンのガイドライン違反にもなりかねません。
読者の方へ:今の業者に「どんな手法でAIに引用されるようにしているのか」を、具体的に聞いてください。説明を濁す業者、「企業秘密です」と答える業者は、要注意です。

エピソード4:プリズムゲートが、あえてお断りした案件
当社は、すべてのお客様の依頼をお受けしているわけではありません。以前、検索順位に過剰にこだわるお客様がいらっしゃいました。検索順位は検索エンジンの都合で日々入れ替わるものですが、1つでも順位が下がるとすぐにクレームが来る。
一方で、「見込客から見た時に、商品の価値が伝わっているか」という本質的なご提案をしても、取り合っていただけない。
このお客様とのお取引は、心苦しくもお断りしました。
LLMO対策にも同じ罠があります。構造化データだ、llms.txtだ、と技術論にのめり込みすぎて、肝心の「この会社に頼みたい」と思わせるコンテンツがスカスカのサイトは、AIにも人間にも選ばれません。
読者の方へ:引用数や順位を毎日チェックして一喜一憂していないか、自問してみてください。目的は集客や採用の成功であって、数字そのものではないはずです。
業者選びで迷ったときの、一つの判断基準
LLMO対策は、正直なところSEOより数字的な成果が見えにくく、正確な効果判定も現時点では困難です。それなのに、「引用率◯倍」「1ヶ月で成果」といった煽り広告が日々流れています。
LLMO対策には、Web技術・マーケティング知識・SEOの基礎、そのすべてが必要です。業者選びで迷ったら、一つの判断基準として、「この会社は、AIという言葉が出てくる前から、Webサイトで成果を出せていたか」を見てみてください。もちろん新興企業の中にも優秀な会社はありますが、実績のある会社は、バズワードが登場する前から地道な仕事を積み重ねています。その姿勢は、LLMOのような移り変わりの激しい領域でこそ、強みになると私は考えています。
あわせて読みたい(関連コラム)
- AI時代の到来で増える「LLMO対策」業者、その実態を業界30年の視点で斬る](https://prismgate.jp/news/29427/)
- LLMO対策の効果、正直に答えます〜計測が難しい理由と、それでも対策すべき理由〜(https://prismgate.jp/news/29618/)
自社サイトのLLMO対策が気になる方は、LLMO対策セミナーに参加してみてください。
著者紹介
芝田弘美(しばた ひろみ)
プリズムゲート株式会社 代表取締役
Web業界30年のWebコンサルタント。1,000社以上のWebサイト制作・運営に携わる。現在は「今すぐできるLLMO対策テクニック100」(2026年6月・秀和システム新社より出版予定)を執筆中。LLMO対策セミナーの講師として、中小企業のAI時代に向けたWeb戦略を支援している。特技は日本舞踊(師範)、空手(三段)。
著書:ホームページ集客大全(自由国民社)、Webライティング大全(自由国民社)、儲かる会社はホームページが9割!(自由国民社)、士業のためのホームページのつくりかた(中央経済社)

