
今、SNSも活用して、集客はうまくいっている。リスティング広告も回っている。それでも、心のどこかに引っかかりがある院長は少なくないはずです。「広告費が年々上がっている」「効果が落ちてきた気がする」
その違和感、放置すると1年後に効いてきます。
今回は、当社代表の芝田が横浜のある美容クリニックで体験した出来事から、広告のその先の話をします。
横浜の美容クリニックで、施術後にChatGPTに聞いてみた
きっかけはSNS広告。そこからアカウントを見て「良さそう」と感じ、ホームページもざっと確認。きれいなサイトでした。ただ、情報は少なめ。「SNS中心にがんばっているクリニックなんだな」という印象。それでも好感を持ち、実際に来院して施術を受けました。
問題はその後。
施術を終えた芝田が、何気なくChatGPTに聞いてみました。
「横浜で〇〇の施術ができるおすすめ美容クリニックは?」と。
結果は予想外。
受けてきたばかりのそのクリニックは、おすすめに出てこなかった。 それどころか、クリニック名を直接たずねると、AIは多少ネガティブな答えを返してきたのです。「症例写真は多いが、実績として裏付けが見えにくい」「医師の経歴情報が確認しづらい」——そんなトーンで。
芝田はメンタルが強いほうです。それでも、術後の痛みとともに、AIの論理的な指摘を読むと、「本当にちゃんとやってもらえたんだろうか」と不安がよぎりました。施術自体はおそらく問題なかったはずなのに、です。

ネガティブな回答の原因は「Webサイトの掲載内容」
なぜAIはこう答えたのか。院長の腕が悪いから?いいえ 違います。
原因は、Webサイトに載っている情報そのもの。
ChatGPTやGeminiなどのAIは、回答をつくるときに企業の公式サイト=一次情報を最優先で読み込みます。AIにとって、あなたのクリニックを判断する材料はWebサイトの記載がほぼすべて。症例写真がいくら美しくても、AIは画像の中身を評価しません。AIが読むのは「文字情報」です。
つまりこういうこと。きれいな写真は人の目には響いても、AIには伝わらない。医師の経歴、症例数、在籍年数、保有資格といった検証できる事実が文章で書かれていなければ、AIは「裏付けが乏しい」と判断する。 横浜のクリニックは、写真は豊富でも、この事実情報が決定的に不足していました。
リスティング広告が「効かなくなる日」は、もう始まっている
ここからが本題です。今うまくいっている広告ほど、危うい。
理由はシンプルで、リスティング広告は「キーワード検索」が前提だから。
患者さんがGoogleで「横浜 美容クリニック ◯◯(気になっている顔の部分・施術)」と検索する。だから検索結果に広告を出せば反応がある。もしくはSNSを見て、LINE登録。あるいはホームページを訪れて予約。これが今までの勝ちパターンでした。ところが、その前提が崩れ始めています。人々が真っ先に、ChatGPTなどAIに直接たずねるようになり、検索からサイトへの流入そのものが減少。日本経済新聞は2025年11月、AI要約(Google「AIによるOverviews」)の浸透により、Google経由のサイト訪問が日本でも約3割減ったと報じています。

数字はそれだけではありません。SEO分析大手Ahrefsの調査(2026年2月発表)では、AIの要約が表示される検索キーワードで、検索1位ページのクリック率が日本でも約38%低下(2023年12月比)。グローバルでは約58%減で、しかもこの落ち込みは年々拡大しています。
検索からの流入が減れば、広告が表示・クリックされる機会も減る。同じ予算でも反応は落ち、単価は上がる。今の好調がそのまま続く保証は、どこにもありません。「ChatGPTで歯科クリニックを探して、一番に出てきたから来ました」——これは当社が把握している実際の来院例(横浜・歯科)。美容医療にも同じ波は、確実に来ます。
ここで区別を明確に。
「AI検索で正しく推薦されるための対策」がLLMO対策(AIへの対応)。
「Google検索で上位表示・広告で集客するための対策」がSEO対策・検索広告(検索への対応)。
| LLMO対策 | AI検索で正しく推薦されるための対策(AIへの対応)。 |
| SEO対策・検索広告 | Google検索で上位表示・広告で集客するための対策(検索への対応)。 |
これからの集客は、AI検索の世界。だからこそ、今のうちに前者へ次の一手を打つ。
広告は出した瞬間に消える消費型、LLMO対策はWebサイトに積み上がる資産型。時間が経つほど複利で効いてきます。
院長が今すぐできる、美容クリニックのLLMO対策
例えば、LLMO対策では以下の施策が考えられます。
1. 実績を「数字」で書く【LLMOにもSEOにも有効】
「豊富な症例」ではなく「症例実績◯◯件」「開院◯年」と数字で。AIは具体的な数値を高く評価します。「約」「以上」でも構いません。
2. 医師のプロフィールを充実させる【LLMO=AIへの対応】
氏名・専門分野・経歴・保有資格・所属学会を文章で明記。「美容皮膚科を専門とし、◯◯を年間◯件」のように。AIは「経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)」を文字情報から読み取ります。顔写真のALT属性に氏名と役職を入れるのも効果的。
3. 症例に「解説テキスト」を添える【LLMO=AIへの対応】
ビフォーアフター写真の横に、施術名・経過・注意点を言葉で。写真は人に、文章はAIに。両方そろって初めて伝わります。
その他、クリニックの特長をきちんと伝え、AIが情報を取得しやすい技術的対応も必要です。
広告が効いている今こそ、次の一手を
広告で結果が出ている今は、余力のあるうち。効かなくなってから慌てて動くより、勝っているうちにAI検索の土台を築くほうが、はるかに低コストで先行できます。
まずはご自身のスマホでChatGPTに「(地域名)で(施術名)ができる美容クリニック」と聞いてみてください。名前が出るか。どう語られるか。芝田が横浜で感じた不安を、あなたの患者さんに抱かせないために。
プリズムゲートは、Web業界30年・累計1000件以上の実績をもとに、美容クリニックのLLMO対策をご支援します。広告費の「その先」を、まずは一度ご相談ください。
出典
- 日本経済新聞「Google経由のサイト訪問、日本でも3割減 AI要約の浸透で」(2025年11月26日)
- Ahrefs調査「AIによる概要のゼロクリック影響」(2026年2月発表/比較期間:2023年12月vs2025年12月、Google Search Console集計データ、30万キーワード対象)
著者紹介
芝田弘美(しばた ひろみ)
プリズムゲート株式会社 代表取締役
中央大学商学部でマーケティングを学び、大手コンビニエンスストア本部を経て、1996年にWebデザイナーへ転身。2000年にプリズムゲート株式会社を設立。Web業界歴は約30年、累計1,000社以上のコーポレートサイト制作・運営に携わる。現在も約100社のサイト運営を支援しながら「AIがどのサイトを引用するか」を現場で日々検証している。
著書:『士業のためのホームページのつくりかた』『儲かる会社はホームページが9割!』『ホームページ集客大全100』『はじめてのWebライティング大全100』
最新刊として、2026年6月29日『今すぐできるLLMO・AIO[AI最適化]実践テクニック100』(秀和システム新社)を発売。

