
「LLMO対策を始めたいけれど、何から手をつければいいの?」
そんなご相談をいただいたとき、まず確認するのがトップページの上部です。そこに「誰に、どんなサービスを提供しているのか」が、具体的な言葉で書かれているでしょうか。
皆さん、こんにちは。プリズムゲート株式会社の芝田弘美です。
LLMOとは、AIの回答で自社の情報が適切に扱われ、紹介・引用されることを目指して、Webサイトなどの情報を整える取り組みです。
今回は、当社が支援した士業事務所の事例を交えながら、最初に見直したいトップページのポイントをお伝えします。
なぜ、最初にトップページの上部を見直すのか
「何の事務所か」が伝わる入口をつくる
トップページは、事務所の特徴をまとめて伝える「名刺」のような場所です。
たとえば、最初に目に入る言葉が「お客様の未来を、ともに。」だけだったら、どうでしょう。思いは伝わっても、税務の相談先なのか、労務の専門家なのか、初めて訪れた人にはわかりません。
そこで、トップページの上部に「どの地域の、どんなお客様に、何を提供しているか」を書きます。訪問者が自分に合った事務所か判断しやすくなり、検索エンジンやAIが参照できる情報も明確になります。
AIが必ずトップページから順番に読むわけではありません。それでも、事務所の基本情報を入口にまとめておくことは、取り組みやすい改善です。
大きな改修の前に、紹介文から着手できる
FAQを新設したり、実績ページを作り込んだりするには、情報の整理や制作に時間がかかります。
一方、トップページの紹介文であれば、現在の内容を確認し、数行の文章を追加・修正するところから始められます。まずは、サイトの入口で伝えるべき情報が抜けていないかを見てみましょう。
士業事務所の事例:AI引用スコアがゼロから翌週4ポイントに
最初に行ったのは、トップページ上部のテキスト調整
当社がLLMOコンサルティングを行った、ある士業事務所では、対策前のAI引用スコアがゼロでした。当社の計測対象となる質問では、事務所名が出てこない状態だったのです。
そこで最初に行ったのが、トップページ上部のテキスト調整でした。その後、翌週の計測ではAI引用スコアが4ポイントになりました。
さらに、ほかのLLMO対策も順に進めた結果、8週間後には14ポイントとなりました。
ここでいう「AI引用スコア」は当社の計測指標です。一般的な引用率を示す数値とは区別してご覧ください。また、8週間後の数値は、トップページ以外の対策も含めた経過です。
続けてきたSEO対策も、背景のひとつ
この事務所は、以前からSEO対策を続けていました。サイト内の情報を充実させ、検索で見つけてもらうための取り組みを積み重ねていたのです。
Googleも、AIによる概要やAIモードへの対応において、従来のSEOの基本が引き続き重要だと説明しています。重要な情報をテキストで提供することも、そのひとつです。Google検索セントラル「AI機能とウェブサイト」
今回の事例でも、これまで整えてきたサイトの情報が、改善の土台になった可能性があります。ただし、スコアの変化にはAI側の回答変動なども影響するため、トップページの修正だけが原因とは断定できません。
SEOで整えてきた情報を生かしながら、事務所の特徴が明確に伝わる文章にする。これが、今回の取り組みの出発点でした。
トップページに入れたい3つの情報

① 誰を支援する事務所なのか
「どなたでもお気軽にご相談ください」だけでは、得意とする相談や対象が伝わりにくくなります。
地域や業種、相談内容など、実際の支援対象を具体的に書いてみましょう。
- 横浜市で創業した中小企業の経営者様へ
- 建設業・運送業の労務管理でお困りの企業様へ
- 親の相続に備えて、手続きを確認しておきたいご家族へ
対象を明示すると、訪問者は「自分の相談に対応してくれそうだ」と判断しやすくなります。
② 何を支援しているのか
事務所名とサービス内容が、一文でわかるようにします。
たとえば、社会保険労務士事務所なら、次のような書き方です。
○○社会保険労務士事務所は、建設業・運送業の企業様を対象に、労務管理と就業規則の整備を支援しています。
「安心をお届けします」という思いに加えて、具体的に何を依頼できるのかまで書くことが大切です。
③ 経験や実績を裏付ける情報
開業年や支援実績など、確認できる事実を添えます。
- 開業年
- 顧問先の社数
- 相談・支援の件数
- 保有資格や専門分野
数字を載せるときは、「いつ時点の数字か」「何を数えた数字か」も明確にしましょう。実績件数が多くなくても、無理に数字をつくる必要はありません。対応分野や資格など、事実として伝えられる情報を選びます。
上記の文章例は書き方を示すための例です。自社の実際のサービスや実績に合わせて調整してください。
大切な情報は、画像だけでなくテキストでも伝える

見た目の良さと、情報の伝わりやすさを両立する
大きなメインビジュアルや印象的なキャッチコピーは、事務所の雰囲気を伝えるのに役立ちます。ただし、必要な情報が画像の中だけにあると、検索エンジンやAIの処理方法によっては、十分に取り出されない可能性があります。
画像を理解できるAIもあるため、「AIは画像の文字を読めない」と一括りにはできません。大切なのは、読み取り方に依存しすぎないこと。対象・サービス内容・実績などの重要な情報は、ページ本文のテキストとしても掲載しましょう。
メインビジュアルの下に、短い紹介文を置く
最初からデザインを大きく変える必要はありません。たとえば、メインビジュアルのすぐ下に、2〜3文の紹介文を配置します。
○○社会保険労務士事務所は、横浜市の建設業・運送業の企業様を中心に、労務管理と就業規則の整備を支援しています。日々の労務相談から社内ルールの見直しまで、ご相談いただけます。
ここに、確認できる開業年や実績を添えると、より具体的な紹介になります。
画像には、内容や役割に応じた代替テキスト(alt)も設定します。Googleも、画像を説明する代替テキストが、画像の理解やアクセシビリティに役立つと案内しています。ただし、altだけに事業説明を詰め込まず、読者に伝える情報は本文にも載せましょう。Google検索セントラル「画像のSEO」
まずは3分。トップページをチェックしてみましょう
自社のトップページを開いて、次の3点を確認してみてください。
- 上部からその少し下に、「誰向けか」「何を提供するか」「経験や実績」が書かれているか。
- 大切な説明が、画像だけでなく本文のテキストとして掲載されているか。
- 事務所名を別の名前に変えても通じる文章ではなく、自社の具体的な特徴が伝わるか。
文字をマウスで選択・コピーできるかは、テキストかどうかを確認する目安になります。ただし、表示の設定によってはテキストでも選択できないため、判断が難しい場合は制作担当者に確認しましょう。
ひとつでも不足していたら、そこが最初の改善候補です。パソコンだけでなく、スマートフォンでも紹介文の位置や読みやすさを確認してみてください。
AIに紹介してもらうことを考える前に、まずは訪れた人に「どんな事務所なのか」が伝わる状態にする。トップページの数行から、できることを始めてみましょう。
自社サイトでは、どこから直せばいい?
プリズムゲートでは、無料相談で御社のトップページを拝見し、どこから改善すればよいかをお伝えしています。LLMO対策の進め方に迷ったら、ご相談ください。
トップページのテクニックについては、芝田弘美著『今すぐできるLLMO・AIO[AI最適化]実践テクニック100』(秀和システム新社)の第3章「AIにも見込客にもアピールする『トップページ』のテクニック」でも解説しています。
著者紹介
芝田弘美(しばた ひろみ)
プリズムゲート株式会社 代表取締役
中央大学商学部でマーケティングを学び、大手コンビニエンスストア本部を経て、1996年にWebデザイナーへ転身。2000年にプリズムゲート株式会社を設立。Web業界歴は約30年、累計1,000社以上のコーポレートサイト制作・運営に携わる。現在も約100社のサイト運営を支援しながら「AIがどのサイトを引用するか」を現場で日々検証している。
著書:『士業のためのホームページのつくりかた』『儲かる会社はホームページが9割!』『ホームページ集客大全100』『はじめてのWebライティング大全100』
最新刊として、2026年6月29日『今すぐできるLLMO・AIO[AI最適化]実践テクニック100』(秀和システム新社)を発売。

