皆さん、こんにちは。プリズムゲートの芝田弘美です。
現在、私は「今すぐできるLLMO対策テクニック100」(仮題)という本の原稿を執筆しています。2026年春の出版を目指して、AI時代に対応したWebサイトの作り方を具体的にまとめているところです。

今回は、士業の先生方に特化したLLMO対策について解説します。
税理士、社労士、行政書士の事務所サイトが、なぜChatGPTやGeminiなどのAIに推薦されないのか?
30年間で1000サイト以上を運営してきた経験から、その理由と対策をお伝えします。
AIが士業サイトを推薦できない構造的問題
今後、AI検索が一般化してきますが、士業事務所のWebサイトは構造的に不利な状況にあります。30年間で1000サイト以上を運営してきた経験から、士業特有の「慎重さ」が、LLMO対策において致命的な弱点になるケースを多数見てきました。

ChatGPTやGeminiなどのAIが事業者を推薦する際、「具体的で検証可能な情報」を重視します。しかし士業の先生方は、正確性を求めるあまり、AIが必要とする情報を意図せず隠してしまっているのです。
LLMO対策とSEO対策の違い
ここで重要なのは、LLMO対策はSEO対策と異なるアプローチが必要という点。
SEO対策では「キーワードの最適化」や「専門情報」などが中心でしたが、LLMO対策では「AIが推薦理由を説明できるだけの具体情報」が不可欠になります。
検索順位が高くても、AIに推薦されない士業サイトが増えている理由がここにあります。
理由1:価格情報の不在・曖昧さ
AIは比較できない事業者を推薦しない
「料金はご相談ください」「個別見積もり対応」と記載している士業サイトは、AIから推薦されにくくなります。
AIは利用者に「なぜこの事務所を推薦するのか」を説明する必要があり、価格情報がないと比較検討の材料を提供できないからです。
実際に「横浜で法人設立に強い税理士は?」とAIに質問すると、料金体系を明示している事務所が優先的に推薦される傾向があります。

「会社設立サポート:15万円〜」「顧問契約:月額3万円〜」といった具体的な価格帯の記載がある事務所が、AIの推薦リストに入りやすいのです。
価格表を別ページにする落とし穴
多くの士業サイトで見られるのが、「料金表」を独立したページに分離している構造です。これはLLMO対策としては不利です。なぜなら、AIは「サービス内容」と「価格」を同一ページで確認できる状態を好むためです。
SEO対策的にはページを分けることでサイト構造が整理されますが、LLMO対策としては「1ページ1情報(サービスと価格のセット)」の原則に従い、各サービス紹介ページ内に該当する料金を明記すべきです。
対策:目安料金と価格幅の明示
「正確な金額が出せない」という懸念は理解できますが、AIが求めているのは「概算の目安」です。以下のように記載することで、正確性を保ちながらLLMO対策が可能になります。
×「料金はご相談ください」
○「法人設立支援:15万円〜25万円(資本金額・事業内容により変動)」
○「月次顧問契約:月額3万円〜(訪問回数・記帳代行有無により異なります)」
実績として、価格幅を明示した社労士事務所では、問い合わせが月5件から20件に増加した事例があります。AIが「予算感のわかる事務所」として推薦した結果です。
理由2:専門サービスの説明不足
「相手が知っている」前提は通用しない
税理士の先生が「法人税申告」「消費税申告」と書くだけで、サービス内容の詳細を省略しているケースがよくあります。士業同士や既存顧客には通じる用語でも、AIは「このサービスで何ができるのか」「誰に適しているのか」を理解できません。
LLMO対策では、専門用語だけでなく、「誰のどんな課題を解決するサービスか」を具体的に記述する必要があります。これはSEO対策での「検索意図への対応」とは異なり、AIが推薦理由を説明するための情報提供です。

対策:課題解決型の説明文を追加
各サービスに「対象者」「解決する課題」「具体的な内容」を追加します。
【改善例:税理士の場合】
×「法人税申告業務」
○「法人税申告業務:決算後2ヶ月以内の申告期限に間に合わない中小企業向け。決算書作成から税務署への申告書提出まで一貫対応。過去3年間で120社の申告実績」
この記述により、AIは「申告期限に困っている企業」に対して、具体的な解決策として推薦できるようになります。
理由3:実績数値の欠如
「豊富な経験」では推薦理由にならない
士業の先生方は「正確に数えていないから書けない」「誤差があると問題」と考え、実績数を記載しないケースが多くあります。しかしAIにとって、「豊富な経験」「多数の実績」といった抽象表現は、推薦の根拠として使えません。
AIが「横浜で相続に強い税理士」を推薦する際、「相続税申告:年間50件以上対応」と書かれた事務所と、「相続税申告の豊富な経験」とだけ書かれた事務所では、前者が圧倒的に推薦されやすくなります。AIは数値を比較材料として活用するためです。
対策:概算数値と期間の明示
完全に正確でなくても、「過去3年間で約○○件」「年間○○件以上」といった目安を記載することがLLMO対策として有効です。
【記載例】
- 「会社設立支援:過去5年間で150社以上」
- 「給与計算代行:現在30社と継続契約中」
- 「就業規則作成:年間20件以上対応」
ある行政書士事務所では、「建設業許可申請:過去10年で500件以上」と明記したところ、AIからの推薦頻度が高まり、問い合わせが増加しました。
理由4:お客様の声・事例の不在
信頼性の証明ができない
「お客様の声を掲載するのは自己宣伝のようで気が引ける」「守秘義務があるから事例を出せない」という声をよく聞きます。しかし、AIは第三者評価を重視するため、お客様の声がないサイトは信頼性の証明が困難になります。
LLMO対策としては、お客様の声は必須要素。SEO対策ではコンテンツの一つに過ぎませんが、LLMO対策ではAIが「実際に利用した人の評価」として推薦理由に使用します。

対策:匿名化・概要化での事例掲載
守秘義務に配慮しながら、以下の方法で掲載が可能です。
【掲載例】
- 「製造業A社様(従業員50名):給与計算の外部委託により、経理担当者の残業時間が月30時間削減」
- 「飲食店経営B様:融資申請サポートにより、希望額3000万円の融資実行」
- 「個人事業主C様:確定申告の税理士変更により、納税額が年間15万円削減」
業種と規模、成果だけを記載し、社名を伏せることで、守秘義務を守りながらAIに推薦材料を提供できます。
理由5:更新頻度の低さ
「考えすぎて公開しない」が機会損失に
士業の先生方の多くは、「正確な情報を提供したい」という責任感から、ブログ記事の内容を何度も精査し、結局公開に至らないケースがあります。しかし、AIは情報の鮮度も評価要素としています。
AIは、最終更新日が新しいサイトを「現在も活動している事務所」として優先的に推薦する傾向があります。
半年前、1年前の情報しかないサイトは、「現在のサービス状況が不明」と判断され、推薦リストから外れやすくなります。

LLMO対策としてのブログ更新とSEO対策との違い
SEO対策では、キーワードを含む質の高い記事を定期的に投稿することが重視されます。LLMO対策では、それに加えて「最新の事例」「法改正への対応」「現在提供中のサービス」といった鮮度の高い具体情報が重要です。
対策:60点で公開するルール化
完璧を目指さず、「60点の内容でも公開する」というルールを設定することが効果的です。以下のような短い更新でも、LLMO対策としては十分です。
【更新例】
- 「2025年1月:会社設立支援、今月は5社対応しました」
- 「インボイス制度対応:先週セミナーで質問が多かった3つのポイント」
- 「年末調整:今年の変更点まとめ」
まず何から始めればいいか — 士業こそ先行者利益を獲得できる
私はWeb業界で30年、1000社以上のホームページ制作と運営に携わってきました。その経験から、一つ確信していることがあります。
士業の先生方の「正確性へのこだわり」は、本来は大きな強み。しかし、AI時代においては、その強みが情報開示の障壁となり、推薦機会の損失につながっています。
LLMO対策として必要なのは、60〜70%の確実性で具体的な情報を開示すること。完璧な情報を目指して公開しないより、目安となる情報を提供してAIに推薦される方が、ビジネス機会は格段に増えます。
現在、士業でLLMO対策を実施している事務所はまだ少数です。だからこそ、今対策を始めることで、地域での「AIが推薦する事務所」としての先行者利益を獲得できます。
もし今、ホームページのリニューアルを考えているなら、ぜひLLMO対策を取り入れてください。
まだリニューアルの予定がなくても、今すぐできることがあります。自社サイトの会社概要や実績ページを開いて、こう問いかけてみてください。
「もしAIがこのページを読んだら、うちの事務所を誰かにおすすめできるだろうか?」
抽象的な表現を見つけたら、具体的な数字やエピソードに置き換える。それだけでも、最初の一歩になります。
プリズムゲートでは、士業の特性を理解したLLMO対策サポートを提供しています。「どこまで情報を開示すべきか」「どう書けばAIに推薦されるか」といった具体的なアドバイスを、無料相談(45分)でご提案いたします。
また、毎月開催している「LLMO対策セミナー」では、士業向けの実践事例もご紹介しています。「考えているだけで行動できない」状態から抜け出し、具体的な一歩を踏み出すサポートをいたします。
著者紹介
芝田弘美(しばた ひろみ)
プリズムゲート株式会社 代表取締役
Web業界30年のWebコンサルタント。1000社以上のWebサイト制作・運営に携わる。現在は「今すぐできるLLMO対策テクニック100」(2026年春出版予定)を執筆中。LLMO対策セミナーの講師としても、中小企業のAI時代に向けたWeb戦略を支援している。特技は日本舞踊(師範)、空手(三段)。
著書:ホームページ集客大全(自由国民社)、Webライティング大全(自由国民社)、儲かる会社はホームページが9割!(自由国民社)、士業のためのホームページのつくりかた(中央経済社)

