
「横浜で相続に強い税理士は?」
AIにそう尋ねられたとき、判断材料になるのは実績です。相談件数、対応年数、施工件数。人が見れば一目で分かるその数字が、AIには届いていません。
プリズムゲート株式会社が2026年7月9日に実施した6業種1,200サイトの調査で、施工件数・解決実績といった「実績数」を構造化データとして記述していたサイトは、1,200件中わずか2件でした。
この調査では、LLMO対策が「出来ている」と判定できたサイトは全体の19.2%にとどまっています。調査全体の結果は下記の記事にまとめました。本記事では、そのなかで最も数字が低かった「実績データ」に絞って掘り下げます。
調査結果の全体像はこちら『その会社、AIには「存在しない」かもしれません|1,200サイト調査で判明。LLMO対策できているのはわずか19.2%』
実績を掲載しているサイトは、10社に1社
まず掲載そのものの状況から見ていきます。
自社の実績を数値で掲載していたサイトは、1,200件中120件(10.0%)。業種別では以下のとおりです。

リフォーム業の29.7%が突出し、製造業は1.3%。300社を調べて、実績を数値で示していたのは4社だけという結果でした。
同じ調査で会社概要の住所は91.5%、代表者プロフィールは60.5%が掲載しています。実績は、5つの調査項目の中で最も掲載率が低い項目でした。
構造化率は5業種で0%、全体で2件
より深刻なのは、その先です。
掲載していた120件のうち、schema.orgなどの構造化データとして記述されていたのは2件。いずれもリフォーム業のサイトで、弁護士・社労士・税理士・美容クリニック・製造業の5業種は、いずれも0%でした。
全1,200件に対する比率にすると0.17%。実績を「AIが読み取れる形」で提示している企業は、事実上存在していないという状態です。

ここで言う構造化データとは、ページ内の情報に「これは何の数値なのか」という意味づけをタグで与える記述を指します。「施工実績3,200件」と画面に書いてあっても、AIにとっては前後の文脈から推測するしかない文字列にすぎません。構造化して初めて、比較・引用できる情報として扱われます。
他の4項目と比べても、実績だけが両方低い
調査した5項目を、掲載率と構造化率の両面で並べたものが下表です。

住所や代表者プロフィールは「書いてあるのに構造化されていない」という課題です。改善の出発点となる情報は、すでにサイト上に存在しています。
実績は違います。書かれておらず、書かれていても構造化されていない。掲載率と構造化率の両方で最下位という、この調査で唯一の項目でした。改善の余地が最も大きい領域であると同時に、着手している企業がほとんどいない領域でもあります。
実績を載せているサイトは、総合評価も高い
もう一つ、データ上の傾向があります。実績数を掲載していた120件の総合評価を見ると、「出来ている」が47件(39.2%)。全1,200件での19.2%に対して、約2倍の水準でした。

ただし、これは「実績を載せればLLMO対策の評価が上がる」という因果関係を示すものではありません。実績を数値で公開している企業は、構造化データやmeta情報など他の項目にも手が回っている傾向がある、という相関として読むのが妥当です。
それでも示唆的な数字。実績の掲載は、サイト全体の情報設計に対する意識の表れとして機能しています。
AI検索で、実績はどう使われるか
生成AIが提示する候補は、通常1〜3件です。Web検索のように2ページ目まで見てもらえることはありません。
その1〜3件を選ぶとき、AIは各社の情報を比較します。何年やっているのか、何件手がけたのか、どの分野が得意なのか。判断の根拠になるのは、まさに実績にあたる情報です。
そこが空白であれば、比較の土俵に乗りません。「他社は数字がある、この会社は分からない」ではなく、そもそも候補として検討されないまま処理が終わります。人間の検索であれば、サイトを開いて実績ページを探すという行動が起こり得ますが、AIは読み取れなかった情報を推測して補うことをしません。
実績を「AIに伝わる形」にする3ステップ
調査結果から導かれる、優先度の高い手順を3つ挙げます。
1 数値に置き換える
「豊富な実績」「多数の施工事例」といった表現を、具体的な数字にします。施工件数、相談件数、対応年数、取扱分野の数。定性的な形容詞は、AIにとって比較可能な情報になりません。
2 出典と時点を添える
「2026年6月末時点」「創業以来の累計」など、いつ時点の何の数字かを明記します。数値の信頼性を担保する情報であり、AIが引用する際の判断材料にもなります。
3 構造化データで意味づけする
Organization、Person、Serviceといったschema.orgの型を使い、数値に意味を与えます。既存ページへの追記で対応できるケースが大半で、サイト全体の作り直しは必要ありません。
競合の実装率がゼロという状況
LLMO対策には、すでに多くの企業が着手し始めています。構造化データもmeta情報も、対応が進んでいる領域では差がつきにくくなりつつあります。
実績データは、そうなっていません。5業種で0%、全体で2件。ここに手をつけた企業が、AIから参照される可能性は相対的に高いと考えられます。空白地帯であるということは、先行できる余地が残っているということでもあります。
まずは自社サイトを開いて、実績にあたる情報が数値で書かれているかを確認するところから。数分で終わります。
調査概要・発信元について
| 調査名 | 業種別サイト調査 LLMO対策 実態調査 |
|---|---|
| 調査主体 | プリズムゲート株式会社 |
| 調査対象 | リフォーム業300件/弁護士100件/社労士100件/税理士100件/美容クリニック300件/製造業300件(計1,200件、各業種の公式サイト) |
| 調査日 | 2026年7月9日 |
| 調査方法 | 各公式サイトの掲載情報、構造化データ、meta情報、robots.txt等を確認し、5項目(実績数・FAQ・沿革・代表者プロフィール・会社概要住所)の掲載状況と構造化状況、および補助指標を総合して3段階で評価 |
▼調査結果の全体像(総論記事)
その会社、AIには「存在しない」かもしれません|1,200サイト調査で判明。LLMO対策できているのはわずか19.2%
▼プレスリリース全文(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000185771.html
発信元について
本調査を実施したプリズムゲート株式会社は、創業以来およそ1,000社のコーポレートサイト制作・運営に携わり、現在も約100社のWeb運営を支援しています。今回の調査も、その現場で積み上げてきた視点にもとづくものです。
プリズムゲート株式会社
【横浜本社】〒231-0007 神奈川県横浜市中区弁天通6-85 宇徳ビルディング7階/TEL 045-263-8071
【東京支社】〒103-0027 東京都中央区日本橋3丁目2番14号 新槇町ビル別館第一1階
代表・芝田弘美の著書
調査を主導した代表取締役・芝田弘美は、Web業界歴30年、1,000社以上のコーポレートサイト制作・運営に従事してきました。
著書『今すぐできるLLMO・AIO[AI最適化]実践テクニック100』(秀和システム新社)では、本記事で触れた構造化データの実装をはじめ、今日から着手できるLLMO対策を100項目にまとめています。日本経済新聞(朝刊)でも紹介されました。
書籍について 代表・芝田弘美が書籍を出版!「LLMO対策業者の見極め方」を一冊にまとめました をご覧ください。
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