税理士サイト1000件調査、AI検索対応は5.8%【LLMO対策】

全国47都道府県の税理士事務所・税理士法人の公式サイト1000件を調査したところ、AI検索に対応できていると判定できたのは58件、全体の5.8%でした。

この調査で判明したのは、問題は情報の不足ではなく、形だということでした。

実績も専門性も、多くの事務所がすでにサイトに載せています。ただ、それがAIに読める形になっていない。項目ごとに数字を見ていくと、その傾向がはっきり出ていました。

では、「AIに読める形」とは何なのか。そこから説明します。

※調査は2026年7月29日、プリズムゲート株式会社が実施。


目次

  1. そもそも「AIに読ませる」とは何をすることか
  2. 調査概要
  3. 結果① 9割超が「不十分である」に集中
  4. 結果② 情報はあるのに、AIに読ませられていない
  5. 結果③ 実績を数字で示している事務所は3.1%
  6. 提言:優先度の高い5つの打ち手
  7. まとめ:情報を「載せる」から、AIに「読ませる」へ
  8. 調査の発信元について

そもそも「AIに読ませる」とは何をすることか

会社概要のページに「神奈川県横浜市中区弁天通6-85」と書いてあるとします。人間が見れば、事務所の住所だと一目でわかります。

ところがAIにとって、これは「ページのどこかにある文字の並び」でしかありません。事務所の所在地なのか、支店なのか、提携先なのか、近くの駐車場の案内なのか。確実には判別できないのです。

そこで使うのが「構造化データ」と呼ばれる仕組み。荷物に「割れ物注意」のシールを貼るのに似ています。中身は同じでも、貼ってあるかどうかで扱われ方が変わる。ページの文字列に「これは所在地です」という情報を、AIに見える形で添えるLLMO対策のひとつです。

「情報を載せる」ことと「AIに読ませる」ことは別の作業である——
これが、まだまだ認識されていない税理士事務所が大半というのが、この今回の調査からわかります。


注意:現状、LLMO対策に業界標準はありません

生成AIに引用されるための施策は、LLMO、GEO、AIO、AEOと呼び名が併存し、名称すら統一されていません。第三者が定めた共通の評価基準も存在しない。「AI検索に対応できている」とは何を指すのか、業界の合意はまだない状態です。

そのため本調査の「AI検索対応」は、プリズムゲートの独自基準による評価です。基準を作ったのは、Web業界での実務経験30年、生成AIがどのサイトを引用するかを検証し続け、『今すぐできるLLMO・AIO[AI最適化]実践テクニック100』(秀和システム新社)を執筆した当社代表・芝田弘美。

今回LLMO対策調査での評価軸は、すべて次に公開いたします。

評価に用いた7つの軸

各項目1点、7点満点で評価しました。

  1. AIクローラー非ブロック……AIがサイトを読みに来るのを拒否していないか
  2. メタ情報……検索結果やSNSに表示される説明文が設定されているか
  3. 見出し構造……見出しの大小が、内容の階層どおりに並んでいるか
  4. FAQの自然文表現……「顧問料」ではなく「顧問料はいくらですか?」の形か
  5. 構造化データ……前章で説明した機械向けの情報が添えられているか
  6. llms.txt……AI向けの案内ファイルが置かれているか
  7. 一次情報……件数・社数など、具体的な数字による実績の記載があるか

このスコアをもとに、「出来ている」「不十分である」「全くされていない」の3段階で判定しています。

※付記……本調査は当社基準による対策状況の評価であり、実際にAIが回答で引用した割合を測定したものではありません。対策度が高ければ引用される、という因果関係を証明したものではない点にご留意ください。


調査概要

項目内容
調査対象全国47都道府県の税理士事務所・税理士法人の公式サイト
調査件数1000件(人口比を基準に配分し、各県10件以上を確保)
収集方法TKC全国会の会員名簿 844件/検索エンジン経由 155件/その他 1件
調査日2026年7月29日
調査主体プリズムゲート株式会社(監修:代表取締役 芝田弘美)

※付記……名簿からの抽出は「検索で見つかるかどうか」に依存しないため、検索エンジン経由のサンプルよりWeb対応が進んでいないサイトを多く含みます。実際、検索エンジン経由の155件では「出来ている」が14.8%、名簿由来の844件では4.0%でした。母集団の性格が全体の数値を押し下げている可能性があります。
また、判定は2026年7月29日時点のものです。技術動向も評価基準も変化の早い領域であり、数値は時間とともに変わります。


結果① 9割超が、AI検索対応(LLMO対策)が不十分である

上位と下位に分かれる二極化ではなく、9割超が同じ地点に集まっています。

「全くされていない」は1.6%だけ。ほとんどの事務所は、何もしていないわけではありません。説明文を設定し、住所を載せ、代表者の紹介ページを持っている。それでも「出来ている」には届かない、という状態に横並びで留まっています。

裏を返せば、まだ誰も抜け出していない領域だということです。


結果② 情報はあるのに、AIに読ませられていない

AIを締め出しているサイトは、1000件中1件

Webサイトの入口には、「どのロボットが入っていいか」を書いた指示書を置けます。ここでAIを拒否していれば、当然、内容は読まれません。

しかし、そうしていたサイトは1件(0.1%)でした。

扉は、ほぼすべての事務所で開いています。
それでも引用されない場合があるのは、中にある情報が読み取れる形になっていないと想定されます。

住所は94.9%が掲載、構造化データ設置率は3.5%

構造化データ設置率は、サイトにちゃんと書かれているのに、AIには読みにくい状態のサイト数を示しています。住所と代表者プロフィールの2項目だけで、延べ1,364件。

AI向けの対応は、階段状に落ちていく

従来の検索エンジン対策(SEO)で基本とされる説明文は、ほぼ全ての事務所が押さえています。ところが見出し構造で3分の1に落ち、構造化データで6分の1、FAQページに至っては1%。

何もしていないのではなく、従来のSEOのところで止まっている。その状態が、数字にそのまま表れています。


結果③ 実績を数字で示している事務所は3.1%

「関与先○○社」「相続税申告○○件」といった具体的な数字による実績の記載は31件、3.1%。さらに、その実績を構造化データで示していた事務所は0件でした。

AIが「この地域で相続に強い税理士は?」と尋ねられたとき、根拠になるのは具体性のある情報です。取扱件数、対応年数、専門分野の内訳。ところが業界全体で、その材料がほぼ提示されていません。

【注目】数字は、人間の依頼者にとっても最大の判断材料

強調しておきたいのは、これはAI対策である前に、Webサイトの基本だということ。

税理士は、依頼する前に品質が見えにくいサービスです。料理なら食べればわかる。しかし税務の仕事は、頼んでみるまで良し悪しがわからない。依頼者は、そもそも比較する物差しを持っていません。

だからこそ数字が効きます。「相続税申告 年間○○件」——一生に一度の相続を任せる相手を探している人にとって、これ以上に安心できる情報はありません。

一方、多くのサイトに並ぶのはこうした表現です。

豊富な経験と実績で、お客様に寄り添います

経験が何年か、実績が何件かがわからない。人間の依頼者も読み飛ばし、AIも判断できない。
書いてあるのに、誰にも届いていない言葉です。

「豊富な実績」を「相続税申告 累計320件」に書き換える。それだけで、人間にもAIにも、はじめて意味のある情報になります。AI対策と、依頼者に選ばれるためのサイト改善が完全に一致する数少ない領域です。


提言:AI検索対応(LLMO対策)優先度の高い5つの打ち手

①実績を数字で書く……「豊富な実績」を「相続税申告 累計320件」に。AIにも依頼者にも効く唯一の項目で、書いた時点で上位3%に入ります。

②事務所情報を構造化データにする……すでに載っている事務所名・住所・電話番号・営業時間・対応エリアを記述し直すだけ。916件が該当し、見た目は変わりません。

③FAQを質問文にして構造化データにする……「顧問料」を「顧問料はいくらですか?」に。見出しの書き換えは自社でできます。

④代表者プロフィールを構造化データにする……氏名・資格・登録番号・経歴を代表者の情報として明示。専門性の根拠になります。

⑤見出しの順番を整える……一番大きな見出しは1ページに1つ、その下は内容の階層どおりに。本の目次と同じ考え方です。


まとめ:情報を「載せる」から、AIに「読ませる」へ

多くの事務所に足りないのは情報ではありません。住所も、代表者の経歴も、専門分野も、すでに書かれています。足りないのは、それをAIに向けて差し出す形です。

住所を構造化データにする。実績を数字で書く。見出しの順番を整える。どれも、新しく何かを生み出す作業ではありません。すでに持っているものを、読める形にするだけ。

そしてそれは、AIのためだけの作業でもありません。実績の数字は依頼者の背中を押し、整った見出しは読み手の理解を助ける。AIに読ませる工夫は、そのまま人に伝わるサイトをつくる工夫でもあります。

現在、それができているのは20件に1件。今から着手すれば、残る94%との差になります。


調査の発信元について

プリズムゲート株式会社

項目内容
代表者代表取締役 芝田弘美
所在地〒231-0007 神奈川県横浜市中区弁天通6-85 宇徳ビルディング7階
電話045-263-8071
設立2000年7月17日/資本金 300万円
事業内容Webサイトの企画・制作・運営、LLMO対策、Webマーケティング・集客支援、経営・Webコンサルティング、セミナー・研修
URLhttps://prismgate.jp/

監修者 芝田弘美(しばた・ひろみ)

芝田弘美(しばた ひろみ)

プリズムゲート株式会社 代表取締役

プリズムゲート株式会社 代表取締役/LLMO・Webコンサルタント。1996年よりWebデザイナーとして活動を開始し、2000年に同社設立。中央省庁から中小企業まで累計1,000社以上のサイト制作・運営に携わる。現在も約100社のサイト運営を支援し、生成AIがどのサイトを引用するかを日々検証している。

著書
『今すぐできるLLMO・AIO[AI最適化]実践テクニック100』(秀和システム新社/2026年6月)、『士業のためのホームページのつくりかた』(中央経済社)、『儲かる会社はホームページが9割!』『ホームページ集客大全100』『はじめてのWebライティング大全100』(自由国民社)


お問い合わせ

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