はい、ございます。特にBtoB業種(製造業、工事業、士業など)では、ホームページ集客が非常に効果的です。
Web業界29年、1000社以上のホームページ制作・運営に携わってきた芝田弘美がお答えします。
「ホームページから問い合わせが来ない」「作ったけど反応がない」というご相談を、本当によくいただきます。そんな時、お問合せに繋がらない施策や、実は何もしていないことが多いです。
集客につながる真っ当なノウハウを理解し、継続的に実行すれば、ホームページは強力な集客ツールになります。意外かもしれませんが、実はBtoC業種よりも『BtoB業種の方がホームページ集客では、早く成果を上げやすい』のです。

ホームページ集客の基本
ホームページは今も集客できるのか?
結論から言うと、できます。むしろ、今こそホームページが重要な時代です。
総務省の調査によると、日本のインターネット利用率は83.4%、約1億人を超えています。企業のインターネット接続率は99.5%。つまり、ほぼ全ての企業がホームページを見られる環境にあるということです。
コロナ禍以降、対面での営業活動が減り、インターネットで業者を探す行動が当たり前になりました。「この商品の仕入先を探したい」「こういった工事をしている業者はないか?」と、まずはインターネットで検索する時代なのです。

そしてこれからは、AI時代。AIに取引先を探させる人も増えます。そんな時はホームページがより大事になります。
何といっても、AIの情報源はホームページだからです。
SNSとホームページの役割の違い
「Instagram や YouTube で集客できる」という情報を目にすることも多いでしょう。
確かに、SNSは人を集めることができます。ですが、問題はその後!
『企業の最終目標は、成約・購入・問い合わせなどの売上につながる成果です。』
あなたがSNSの投稿を見て「この会社に問い合わせしてみようか?」と思ったとき、どうしますか?おそらく、その会社のホームページを見て、サービス内容や実績をチェックすると思います。そのとき、ホームページが更新されておらず、内容がわかりづらければ、問い合わせをするのをやめてしまうでしょう。

ホームページは、SNSなどで集客した後の「受け皿」。
この受け皿がしっかりしていないと、せっかく集めたお客様が成約につながりません。ホームページは「マーケティングの基礎ツール」なのです。
BtoB業種こそホームページ集客が効果的な理由
製造業、工事業、士業、専門商社など、企業間取引が中心の業種では、役所や大手企業からの問い合わせ、新規取引先からの相談など、ホームページを見て連絡をくださる方が増えています。
意思決定が慎重で、じっくり情報収集する
企業の担当者は、取引先を選ぶ際に複数のホームページを比較検討します。技術力、実績、対応範囲などを詳しく確認してから問い合わせをするため、質の高いコンテンツがあれば評価されます。衝動買いではなく、しっかり読み込んでから判断するのです。
競合が少ない業種が多い
BtoC業種と比べて、BtoB業種はホームページに力を入れている企業がまだ少ないのが現状。そのため、しっかりしたホームページを作るだけで差別化できる可能性が高いのです。
単価が高く、1件の問い合わせの価値が大きい
BtoB取引は継続的な関係になることが多く、1件の問い合わせから長期的な取引に発展する可能性があります。
官公庁や大手企業もホームページで情報収集する
実際に、弊社のお客様では、ホームページから役所の仕事を受注した工事業者や、大手企業からの引き合いが増えた製造業など、多くの事例があります。
ホームページ集客で成果を上げる3つのポイント
ポイント1:見込み客が実際に使うキーワードで上位表示を狙う
ホームページ集客で最も重要なのは、「見込み客がどんなキーワードで検索しているか」を把握することです。
多くの方が「自社の業種名」で上位表示を目指しますが、それだけでは不十分です。
例えば、行政書士事務所が「行政書士」というキーワードだけで上位を目指しても、実際の見込み客は「会社設立 横浜」「道路使用許可 申請方法」など、具体的な悩みと地域を組み合わせて検索しています。
BtoB業種で効果的なキーワード戦略
業種名だけでなく、「具体的なサービス+地域+対応内容」の組み合わせを狙いましょう。
製造業の例:
- 精密部品加工 神奈川 小ロット対応
- 樹脂成型 試作 短納期
- 金属加工 図面 相談
工事業の例:
- オフィス 電気工事 横浜 実績
- 店舗 空調設備 施工事例
- 道路 舗装工事 官公庁
士業の例:
- 相続 不動産 空き家 相談
- 会社設立 創業融資 サポート
- 建設業許可 更新 代行
このように、3つのキーワードを組み合わせることで、悩みが具体的な見込み客にホームページを見てもらえます。
キーワード調査の実践方法
見込み客が使っているキーワードを調べるには「ラッコキーワード」というツールを使います。
ラッコキーワードでのキーワード調査手順
- ラッコキーワード(https://related-keywords.com/)にアクセス
- 気になるキーワード(例:「精密加工」)を入力
- 実際に検索されているキーワードの組み合わせが表示される
- その中から、自社のサービスに合ったキーワードを選ぶ
「思っていたキーワードと違う!」ということがよくあります。自分の感覚だけでキーワードを決めるのではなく、『ツールで実際のデータを確認すること』が大切です。
1ページ1キーワードの原則
重要なポイントがあります。1ページごとに、検索上位にしたいキーワードを1組で決めてください。
なぜかというと、Googleは1ページずつ見ているからです。ホームページの奥の方の、人間の目には見つけにくいページでも、Googleは探して見つけ出しています。
その結果、検索されたキーワードによって、対応するページのURLを表示します。ですから、トップページからではなく、1年前に書いたブログの1記事から入ってくることもあります。

だからこそ、全てのページで手を抜かず、それぞれのページにキーワードを設定することが重要なのです。
ページタイトルの作り方
ページタイトルは、検索結果に表示されるリンク文字です(検索サイトにより、そのまま表示されない場合もあります)。
【作成の基本ルール】
検索結果に表示されるのは30文字程度まで。100文字など長いタイトルはむしろ逆効果。
前に入れたほうが、検索順位に良い影響を与えると言われています
良い例:「精密部品加工|小ロット対応|神奈川県横浜市|○○製作所」
悪い例:「○○製作所|会社案内」
個人事業主や中小企業の場合は、社名が認知されていないので、社名が検索キーワードにはなりえません。
「サービス名+地域名+社名」の順番がおすすめです。
ディスクリプションも忘れずに
ディスクリプションは、120字くらいのページの要約のことです。検索結果に、小さい3行ほどの文字で表示されます。
ページごとに違うディスクリプションを設定しましょう。決して、全てのページで同じ文章を使ってはいけません。
このディスクリプションが入っていることで、検索サイトからも評価を受けますし、検索結果を見た人も、自分が探している情報があるかどうか判断して、クリックという行動をします。
Googleの理念に沿ったホームページ運営
検索順位の基準は、Googleによって常時変えられています。小手先のテクニックでは、SEO対策になりません。
では、どうしたら良いのか?
正解は、Googleの考えを知ることにあります。
「Googleが掲げる10の事実」がWeb上に公開されています。Googleはこの理念を実現するために、検索順位の決め方を変更し続けているのです。つまり、「ユーザーにとって本当に役立つ情報を提供すること」が、最も効率的なSEO対策なのです。
ポイント2:具体的で詳しいコンテンツを作る
ある会計事務所で、300万円をかけて作ったホームページがありました。スタイリッシュなデザインが施され、動画も素晴らしいできでした。にもかかわらず、ホームページからは集客できていませんでした。
理由はシンプルで、そのホームページには文章がほとんどなかったのです。
インターネットでは、文章で集客をします。ホームページがその代表です。
ただし、ユーザーが多くの写真を見たいと思う業種、例えばウェディングドレスなどは、写真が多い方がGoogleから評価されます。文章一辺倒でなく、あくまで『ユーザーが何を見たいか?』が優先です。
集客できないNGパターン
ふんわり内容でよくあるのが、こんなケース。
- サービス名の一覧だけが表示されている:「精密加工」「板金加工」「組立加工」と項目名が並んでいるだけ
- 抽象的な表現のみ:「高品質なサービスを提供します」「丁寧に対応します」「お客様第一主義」
- 実績の説明がない:施工事例の写真だけで、どんな課題をどう解決したのか書いていない
- 課題解決のプロセスが不明:「これをやってもらいたい!」と思えるような具体的な説明がない
サービスの項目一覧からリンクをさせて、各サービスの詳細ページをつくりましょう。そうすると、アクセス数も上がり、集客につながる可能性が出てきます。
効果的なコンテンツの作り方
1.各サービスごとに専用ページを作成する
「納期が短くて困っている」「小ロットで対応してくれる業者が見つからない」など、お客様の悩みを言語化する
「図面をいただいてから、3D CADで設計確認を行い…」と、どんな流れで進むのか説明する
ロット数(「1個からでも対応可能」など)、納期(「最短3営業日」など)、対応エリア(「関東一円対応」など)を明記する
可能な範囲で構いませんので、「○○円〜」や「坪単価△△円」など、目安を記載すると親切です。
2.実績や事例を具体的に掲載
- 「○○業の△△様(地域)の□□という課題を、●●で解決しました」
- ビフォー・アフターの写真や図解
- 納期、規模、使用した技術などの詳細
- お客様の声(掲載許可をいただいた場合)
※事例で社名が出せない場合でも、「〇〇業、地域」は記載しましょう。ユーザーが「この地域で、この業種もやってるなら、うちも対応してもらえそう」と判断できます。
3.「よくある質問」を充実させる
見込み客が持つ疑問や不安を、先回りして解消しましょう。
- 「小ロットでも対応してもらえますか?」
- 「納期はどのくらいかかりますか?」
- 「図面がなくても相談できますか?」
- 「見積もりは無料ですか?」
こういった質問に、丁寧に答えることで、問い合わせのハードルが下がります。
また、検索キーワードからよくある質問を作って、答えを詳細に関連情報まで書くと、AIO対策にもなります。
4.写真や図解を豊富に使う
- 設備、技術、完成品などを視覚的に伝える
- 工程を図解で説明し、理解しやすくする
- スタッフの顔写真で親近感を持ってもらう
訪問者は「興味があることは、詳しく知りたい。でも興味がないことは、見たくはない」と考えています。
だからこそ、興味を引く一文と詳しい内容、この両立が必要なのです。
ポイント3:計画的にページを増やし、定期的に更新する
ホームページ集客の特徴は、「継続的にコンテンツを積み重ねることで、徐々に効果が高まっていく」ことです。
Googleは、専門的な情報を豊富に提供しているホームページを高く評価します。また、定期的に更新されているホームページは、検索エンジンのロボットが頻繁に訪問するようになり、検索順位も上がりやすくなります。
効果的なページ構成の考え方
まずは、これらのページを作成しましょう。
- 会社概要(どんな会社か)
- サービス案内(何ができるか)
- 実績・事例(どんな仕事をしてきたか)
- よくある質問(疑問を解消する)
- お問い合わせ(連絡手段)
公開後も、定期的に新しいページを追加していきます。
- 新しい事例紹介(「○○様の案件を納品しました」)
- 技術解説や業界動向(「最近増えている○○加工について」)
- お客様からよく聞かれる質問への回答
- 季節ごとの注意点やアドバイス(「梅雨時期の設備メンテナンス」など)
- トップページから各カテゴリーへ
- カテゴリーから個別ページへ
- 関連ページ同士をリンクでつなぐ
見やすく整理されたホームページは、訪問者にもGoogleにも評価されます。
前述しましたが、Googleは1ページずつ評価しています。
検索キーワードによって、トップページではなく個別ページが検索結果に表示されます。
ですから、全てのページで手を抜かず、質の高いコンテンツを作ることが重要なのです。
更新頻度の目安
最低でも月に1回は新しいコンテンツを追加することをおすすめします。
ブログ形式でも良いですし、事例紹介やよくある質問の追加でも構いません。大切なのは「このホームページは活発に運営されている」とGoogleと訪問者の両方に示すことです。
更新を続けることで、検索サイトのサーチエンジンロボットが定期的にホームページを見に来るようになるので、検索順位も上がりやすくなります。
ホームページ集客は、1つ1つやり続けて継続的に集客できるようになる、その対策は一過性でなく長持ちするのが特長です。焦らず、コツコツと積み重ねていきましょう。
今日から始められる3つのステップ
「よし、やってみよう!」と思っていただけたでしょうか?ここからは、具体的にどう始めるかをお伝えします。
ステップ1:見込み客の検索行動を理解する
【やること】
- 「うちのサービスを探している人は、どんな言葉で検索するだろう?」
- 「お客様からよく聞かれる質問は?」
- 紙に書き出してみましょう
- https://related-keywords.com/にアクセス
- リストアップしたキーワードを入力
- 実際に検索されている組み合わせをチェック
- 「思っていたのと違う!」という発見があるはずです
検索キーワードで上位表示されている5社程度を見ていきます。
- どんなページ構成になっているか
- どんなキーワードで上位になっているか
- どんなコンテンツがあるか
- 良いところは参考に、足りないところは自社の強みにしましょう
ステップ2:現在のホームページを見直す
すでにホームページをお持ちの方は、現状をチェックしてみましょう。
このチェックリストで、改善すべき点が見えてくるはずです。
【チェックリスト】
- 各サービスのページに、説明文が読み込めるくらい書かれているか?
- 「高品質」「丁寧」などの抽象的な表現だけになっていないか?
- 実績や事例が、具体的に掲載されているか?
- よくある質問のページが充実しているか?
- 写真や図解が豊富にあるか?
- 最後に更新したのはいつか?
ステップ3:コンテンツ追加の計画を立てる
計画を立てることで、「何をすればいいかわからない」という状態から脱出できます。
【やること】
- 事例紹介:○件
- 技術解説:○件
- よくある質問:○件
- など、具体的に書き出す
「毎月第1月曜日に更新する」など、ルール化すると続けやすい
- 技術者:技術的な内容、工程の説明
- 営業:お客様の声、よくある質問
- 経営者:会社の方針、業界動向
- など、得意な人が得意な内容を書くと効率的です
自分のホームページの場合は?
ここまで、ホームページ集客の基本的なノウハウをお伝えしてきました。ただし、業種や地域、競合状況によって、最適な施策は異なります。
例えば、こんな疑問をお持ちではありませんか?
- 「自社のホームページは今どんな状態なのか?」
- 「どのキーワードを優先的に狙うべきなのか?」
- 「どんなコンテンツから作り始めるのが効果的か?」
- 「予算や人手の制約がある中で、何から手をつければいいか?」
- 「リニューアルしたほうがいいのか、今のホームページを改善すればいいのか?」
こうした具体的なご相談については、無料相談で個別にアドバイスさせていただきます。
無料相談でできること
プリズムゲート株式会社では、あなたのホームページの現状を診断し、業種やご予算に合わせた具体的な改善策をご提案しています。
【ご相談内容の例】
- 現在のホームページの問題点診断
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29年の経験から、「この業種なら、こういうキーワードが効果的」「この地域なら、こんなコンテンツが必要」といった具体的なアドバイスが可能です。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
著者紹介
芝田弘美(しばた ひろみ)
プリズムゲート株式会社 代表取締役
Web業界29年のWebコンサルタント。現在まで1000社以上のWebサイト制作に携わる。中小企業に「インターネットを上手に使って、事業を伸ばしてほしい!」という想いでサポート中。特技は日本舞踊(師範)、空手(三段)。著書に『ホームページ集客大全』(自由国民社)、『Webライティング大全』(自由国民社)、『儲かる会社はホームページが9割!』(自由国民社)、『士業のためのホームページのつくりかた』(中央経済社)

